志高く生きることが成長を加速させる(後編)
(photo by VS Wallpapers on GATAG)
前回、「志高く生きることが成長を加速させる(前編)」と題して、志高く生きることでどんないいことがおきるのかをお伝えいたしました。
「あなたの志は、何ですか?」と聞かれて、あなたはすぐに答えることができますか?
「志」はどのようにして立てることができるのでしょうか。
今回は、仕事にも活きる「志の立て方」をお伝えしていきます。
「志」はどのようにして立てることができるのか?
①自分のありたい姿、やりたいことの本質を掘り下げてみる
自分の軸がないときには、周りの言葉や評価に一喜一憂したり、不必要な情報に左右されたりします。
まずは、自分が「どうありたいか?」「どうなりたいか?」を掘り下げていくことをお勧めすます。
そして、「なぜ」それをやりたいのかを突き詰めていくと、最初は私心のように見える動機も、公のものに繋がるものが見つかります。
先日、中学校で講演をさせてもらったときのことです。
「夢をもつ」というテーマだったのですが、一人の子が「お金持ちになりたい!」と言いました。
それを聞いた先生は苦笑していましたが、「なぜお金持ちになりたいって思ったの?」と質問すると、「お金がたくさんあれば、家族も友達もみんな喜ばせることができるから」と笑顔で答えてくれました。
「○○ちゃんは、みんなを喜ばせる人になりたいんだね!」と言ったら、満面の笑顔で「うん!」と頷いていました。
人は、誰かに喜んでもらうと自分も嬉しいという本能があります。
「なぜ」それをしたいと思うのかを掘っていくと、人間の本質である「誰かのために役立ちたい」という部分に行きつきます。
そして、その利他の精神から生まれるものこそ「志」なのです。
②1つのことを徹底して実践する
目の前の小さなことにも本気で取り組めないのに、志を立てるなんてことはできないと思います。
目の前のことを本気で取り組むからこそ、「あれ。これってもっとこうしたほうがいいんじゃないかな」とか「もっとこうなると、世の中はよくなるだろうな」ということに気づきます。
すでに志がある人は、そこに向かって実践することを今すぐ行い、やり続けたらいいと思いますが、まだ志がない人は、まずは、自分の仕事や目の前のことを徹底してやり抜いてみてください。
いきなり大きな志を立てなければ!と思うと、躊躇してしまいます。
それよりも、まずは、目の前のことを本気で、徹底して取り組んでみる。
そこから見えてくるものがたくさんあります。
③問いを持つ
ただ、やみくもに目先のことに夢中になるだけではなく、同時に、問いを持ち続けることも大事です。
例えば、
「あなたが生涯かけて、やり遂げたいことは何ですか?」
「あなたがこの世界に役割があるとしたら、どんなものですか?」
「あなたが、どうしても感情的になってしまう世の中の問題は何ですか?」
「あなたの天か与えられたギフト(才能)を世界に使うとしたら、どんな貢献ができますか?」
など、上質な問いを持ち続けると、ふとしたアイディアのような形に変えて、答えを見つけることができます。
3つめのような、不快な感情を感じてしまうことも、あなたにとって大事なものがあるからこそ感じる感情です。
そこに、本当に大切にしたいことが眠っている可能性もあります。
志は、誰かに聴いて見つける答えではなく、自分の中にある答えを探しにいくものです。
(photo by Vive la Palestina on GATAG)
そして、自分にとってこれが「志」と言えるものができたときに、ぜひチェックをしてみてください。
あなたの「志」はどんなものですか?チェックポイント
①その世界が実現したと想像したとき、あなたはどんなことを感じますか?
→喜び、わくわく、幸せなど感情が動きますか?感情は、正直なバロメーターです。
他人の価値観や世間体でいいと思い込んでいるものでも、あなたが本当に願っていることでなければ、感情は動きにくいものです。
②あなたの志は、誰を幸せにしますか?
→自分だけが喜ぶものは、欲です。これも上手く使えば、力強い原動力になりますが、限界があります。
志は、社会にとって、チームにとって、周りの人にとっても意味があるものです。
③その志のために、あなたは今、何をしますか?
→志を立てて終わりにするのではなく、そこに向けて行動を起こすことこそが大事なのは言うまでもありません。
小さな一歩でも、恐れを感じるようなチャレンジングな一歩でも、まずは踏み出してみることからスタートします。
「志を立てよう。自分のためにも、他人のためにも、そしておたがいの国、日本のためにも。」松下幸之助
◆参考元
ITmedia 「若手社員のうちに学びたい、「上司力」入門」 / 吉田実(著)
CLASE 教育をめぐる冒険 「志の立て方・磨き方 -凡事に真理を求めて-」 / 中村俊一氏 × 上甲晃氏
◆参考文献
「道をひらく」 /松下幸之助(著)