[ダイアログ・イン・ザ・ダーク]から学ぶチームビルディング
ダイアログ・イン・ザ・ダークに行ってきました。
これは、全く光のない暗闇を、感覚を頼りに進んでいくソーシャルエンターテイメント施設です。
開始時間が決められていて、チームごとにスタートします。
私は、お母さん、小学生の娘さん、中学生くらいの息子さん、女子大生、20代の男性、そして、「ハチ」と名乗る人懐っこい笑顔を見せるアテンドの方と一緒に体験しました。
暗闇をアテンドしてくださる方は、全員が視覚障害をもっていて、ハチも見えていたときの世界と、見えなくなってからの世界の違い、リアルな体験を聴かせてくださいました。
どんなに目をこらしても真っ暗闇の世界は、一歩足を踏み入れると、もう方向の感覚も、どれくらい目の前に広がっている世界なのかもわからずに、一気に不安が押し寄せてきました。
しかし、だんだんと言葉で仲間とコミュニケーションをとっていくと、一人ではない安心感からか、感覚がゆっくりと開いていきました。
小さな音、足の裏の感覚、香り、手にあたる感覚、人のぬくもり。
見えないからこそ、感じる世界が広がります。
そして、自分が心を開けば開くほど、感じる世界はどんどん広がっていきます。
今日は、そんなダイアログ・イン・ザ・ダークから学んだチームビルディングのエッセンスをお伝えします。
[ダイアログ・イン・ザ・ダーク]から学ぶチームビルディング
①第一印象や肩書きで、人を判断しない
あなたは、第一印象で物事を決めていませんか?
たしかに、私たちは誰もが直感を持ち合わせていて、不思議とその人となりを感じることもあります。
しかし、間違った思い込みや先入観で相手を見てしまうことは、もったいないものです。
どんな人もフラットに、そして、可能性のある人としてみていきましょう。
②相手に届くように伝え、自分自身を開示する
私たちは、本当にコミュニケーションをとっていますか?
暗闇では、お互いに細やかにコミュニケーションをとらなくては、相手がどこにいるのかさえ、自分がどんな状況かさえ分かってもうらことができません。
何かアクションを起こすときには、丁寧に、相手にも伝わるように伝えます。
そして、自分がいま、どんなことを感じているのかも、積極的に言葉にしていきます。
言葉にすることで、周りの人はサポートすることができます。
一番困るのは、言葉を出さないこと。
いったいどこにいるのか、何を考えているのか分からなければ、サポートしたくてもできません。
③チームのメンバーで感情を共有する
(photo by Pink Sherbet Photography on GATAG)
暗闇の中で過ごすと、時間感覚がなくなり、暗闇の中に90分もいたことを知り、本当に驚きました。
その短い時間の中でも、初対面同士の私たちの間には、互いを思いやり、感謝しあう関係性と空気が漂っていました。
もう二度と会うこともないかもしれない、本名さえもしらない人たちなのに。
なぜ、そんな関係性が築けたのだろうと振り返ってみると、やはり、一緒に同じ感情を共有したことが大きいと思います。
不安、どきどき、わくわく、驚き、じんわりとしたあたたかさ、嬉しさ、楽しさ、美味しさ。
様々な感情を共有することで、人と人の距離はぐっと縮みます。
いい時だけでなく、悲しみや不安も一緒に感じる。
そんなプロセスが、チームのメンバーの関係性を近くしていくのです。
いかがだったでしょうか?
私たちは、見える世界にいるが故に、見えなくなってしまっていることがたくさんあるのかもしれません。
このプログラムを進めてくれた私の友人も、暗闇の世界だからこそ知ることのできる豊かな世界に生きています。
まるで私の顔を見えているかのように、じっと見つめて、「まぁちゃんは、美しい心の人だよ」と言ってくれたことを、昨日のことのように思い出しました。
私たちの周りには、本当に豊かな世界が広がっています。
音、香り、肌にあたる風、手にふれる感覚、温度。
ときには、目を閉じて、他の感覚で、豊かな世界を感じてみる時間をたっぷりとりましょう。
ぜひ、あなたも、見えない世界を感じてみませんか?
◆参考元
ダイアログ・イン・ザ・ダーク HP
◆参考文献
まっくらな中での対話 / 茂木健一郎 with ダイアログ・イン・ザ・ダーク (著)
暗闇から世界が変わる ダイアログ・イン・ザ・ダーク・ジャパンの挑戦 / 志村 真介 (著)