ザ・リッツ・カールトンの教育から学ぶ人づくり

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(photo by The Ritz-Carlton Kyoto on facebook)

先日、ザ・リッツ・カールトン京都に宿泊してきました。

鴨川沿いに建てられたホテルで、エレベーターの中に至るまで伝統柄をモチーフにした洗練された空間の中、ゆったりとした時間を過ごしました。

到着して、部屋に案内されるまでに会うスタッフさんが、笑顔であたたかく迎えてくださいました。
しかも、全員が名前をよんでくださることが嬉しかったです。

1983年にアトランタで誕生して以来、ホスピタリティの高いホテルとして名高いリッツ・カールトンですが、人財育成にはかなり力を入れていることでも有名です。

どんな教育をしているのかを調べてみたので、纏めてみます。

ザ・リッツ・カールトンの教育とは?

リッツ・カールトンのスタッフは、身だしなみ基準の一部として「クレドカード」と呼ばれるものを常に携帯しています。

クレドカードには、基本理念やホスピタリティの精神などが、一枚のカードに記されています。
こちらから全文、読めます。

しかし、クレドを創っただけでは、浸透しません。

入社してからの世界共通の教育や、上司のコーチング、毎日の「ラインナップ」(朝礼)など、クレドを浸透させ、社員を育つ仕組みがたくさんあります。

①We Are Ladies and Gentlemen, Serving Ladies and Gentlemen.

リッツ・カールトンの「クレド」には、「従業員への約束」という項目があります。

「ザ・リッツ・カールトンではお客様へお約束したサービスを提供する上で、紳士・淑女こそがもっとも大切な資源です。
信頼、誠実、尊敬、高潔、決意を原則とし、私たちは、個人と会社のためになるよう持てる才能を育成し、最大限に伸ばします。
多様性を尊重し、充実した生活を深め、個人のこころざしを実現し、ザ・リッツ・カールトン・ミスティークを高める…ザ・リッツ・カールトンは、このような職場環境をはぐくみます。」

リッツ・カールトンではスタッフを「紳士・淑女」とよび、紳士・淑女にふさわしいマナー、行動ができるように、一流に触れる研修もあります。

日常のものが目に入らないような工夫がされているなど設備はもちろん、スタッフの足音、身のこなしなども、まさに紳士・淑女とよぶにふさわしいエレガントなものでした。

誇りをもって仕事をするからこそ、プロフェッショナルでいられるのだと感じました。

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(photo by The Ritz-Carlton Kyoto on facebook)

②Noと言わず、期待を上回るサービスを提供する

リッツ・カールトンでは、お客様の要望に「No」ということはありません。

もちろん、全室満席の日など、予約をしたいと電話をかけてきたお客様に「No」と言わざるをえない場合もあります。

しかし、そんな時でも、違うホテルを代わりに予約することを提案するなど、お客様の望むことを先回りして考え、行動します。

リッツ・カールトンのクレドに沿っていて、お客様が喜ぶことであれば、上司の判断を仰がずに、自分の判断ですぐに行動するためにも、スタッフには1日2000ドルまでの決済権が与えられています。

この「迅速に」というのが大きなポイントです。

上司の判断を待っていたら、同じサービスをするにしても、時間がかかります。

「感じて、即、動く」から「感動」に繋がるのです。

また、お客様だけでなく、スタッフを管理するマネージャーも、スタッフからの要望に対して、すぐに「No」と言いません。

共に考え、さらにより良いものを創ります。

だから、リッツ・カールトンでのおもてなしは、機械的ではなく、温かみのある人間的なサービスなのだと感じます。

③「ワオ・ストーリー」を社内で共有する

世界中のリッツ・カールトンで、今日も数々の伝説が生まれています。

そんなお客様とスタッフとの間でおこった心温まる出来事のことを、「ワオ・ストーリー」とよび、スタッフ間でその出来事を共有します。

「そのときに、自分だったらどうしただろう?」とたくさんのシチュエーションをイメージすることで、自分だけの経験以上の学びを日々、仲間の体験から学ぶことができます。

心がHappyになる出来事を聴いただけで、私たちは笑顔になれます。

そのあったかな気持ちを仲間と分かち合うことで、まだ見ぬお客様へと自然と流れていくのです。

クレドを創るだけでなく、日常から全スタッフで共有できる仕組みを創ることが大事だと感じました。

美味しい朝食を食べたあとに、思いがけず地下のプールでゆったりと過ごしたあの日は、私にとって大事な想い出の1ページになりました。

◆参考元
Ritz-Carlton Hotel Company HP
Trabel vision 「顧客と社員の満足度が業績に連動する−リッツ・カールトンの人材教育に学ぶ」
ITmediaエグゼクティブ 「満足を超える「感動」で差別化 ザ・リッツ・カールトンの戦略」

◆参考文献
リッツ・カールトンが大切にするサービスを超える瞬間 / 高野登(著)

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