イチロー選手4000本安打達成の言葉から学ぶ「満足という幻想」
先日、友人が「満足すると成長が止まりそうな気がするんだよね」と話していました。
その気持ち、私も本当によく分かります。
さらに高みを目指す成長意欲の強い人ほど、その傾向は強いようです。
ただ、この「現状に満足していない」状況が続くほど、実は、次へのステージに向かっていくエネルギーは落ちていく傾向にあります。
今に感謝すると、次へ進むエネルギーになる
私は、山登りが大好きなので、よく人生を山登りに例えるのですが、「今に満足していない人生」は、やっと辿りついた頂上で、隣のさらなる高い山に目を奪われて、慌てて次の山を目指すようなものです。
また、その山の頂に到達したら、さらなる高い山が目に入る。そして、次はまたそこへ。
この繰り返しだけでは、だんだん疲弊していきます。
頂上にたったときに、そこでの達成感、充足感をたっぷり感じる。
「よくやったね!」と自分をおもいきり褒める。
そんな、その瞬間の喜びを味わうとき、人は自然と、仲間や周りのサポート、自分の身体への感謝が沸き起こってきます。
感謝は、次への進む大きなエネルギーの源にもなります。
山登りの途中に、所々で後ろを振り返ると、「こんなにも登ってきたんだな」と驚くことがあります。
人生も同じで、時々、自分の歩んできた道のりを振り返って、「よくここまでやってきたな」と認めると、自分を信頼する大きな力にもなります。
「満足を重ねないと次が生まれない」
「満足すると成長が止まる」と思い込んでいた私に、それが思い込みだったことを教えてくれたのは、2013年の日米通算4000本安打達成した際に会見をしたイチローの言葉でした。
→ここからインタビュー記事を読めます
日米通算4000本安打達成のイチローが会見(全文掲載)/一問一答
─他の選手はどこかで満足している。イチローさんはない?
「いえいえいえ、僕満足いっぱいしてますからね、今日だってもの凄い満足してるし、いやそれを重ねないと僕は駄目だと思うんですよね。満足したらそれで終わりだと言いますが、とても弱い人の発想ですよね。僕は満足を重ねないと次が生まれないと思っているので、もの凄いちっちゃい事でも満足するし、達成感も時には感じるし、でもそれを感じる事によって、次が生まれてくるんですよね。あの意図的に、こんな事で満足しちゃいけない、まだまだだと言い聞かせている人は、しんどいですよ。じゃ、何を目標にしたらいいのですか、嬉しかったら喜べばいいんですよ。と言うのが僕の考え方ですけどね」
小さなことにも喜び、感謝し、幸せを感じる積み重ねが、結果、豊かな人生を創るのです。
どうしたら小さなことで満足を感じられる?
とはいえ、人の成長はよく見えるものの、自分自身の成長は感じにくいことがあります。
「もっと成長したい」と思うほど、今の自分になかなかOKを出せないときには、どうしたら今に満足することができるのでしょうか?
私が実際に行って、効果があると感じるのは、次の2つです。
①5年日記をつける
今年の夏より、5年日記をつけています。
綴っていくと、同じ日の5年前、どんな日だったのかが分かる5年ダイアリー。
私は毎日のお題の問いの答え(私が使っている日記は、毎日、質問が掲載されている)と、その日の感じたこと、感謝することを綴っています。
この日記をつけ始めて、まだ数ヶ月ですが、それでも数ヶ月前の箇所をぱらぱらと見返すと、「あー。こんなことあったな」「そうそう。このとき、すごく後悔したんだった」とか、リアルに思い出すことができます。
そして、なんだかんだあるけれども、少しずつ前進している自分に気づくことができるのです。
これを続けて、1年後、どんな自分に出逢えるのか楽しみです。
②コーチ/メンターをつける
実は、この自分のなかなか気づけない自分の姿をフィードバックしてくれる役割を、コーチは担っています。
まるで鏡のように、「今、こう見えるよ」「今、これくらい進んできたね」と伝えられることで、自分の姿を客観的に知ることができます。
私も、「ちゃんと進化してるよ」とメッセージを送りつづけ、見守ってくださる人がいることで、いつも勇気づけられています。
ぜひ試してみてくださいね。